初めての交通事故

人生で印象に残った出来事の一つといえば「人生初の交通事故」です。

それは私が20歳のころ。
高校を卒業した私は、特にやりたいこともなかったので、アルバイトをしていました。
そのアルバイトはピザの宅配のお仕事です。

ちょうど原付の免許を取ったことと、地図を見るのが得意だった私には、ピザの宅配という仕事はピッタリだったと思います。
それに仕事仲間の人たちも、同年代が多く話も合いましたし良い人ばかりで楽しかったです。

この頃に一人暮らしを始めたこともあって、日々の生活のためにもお金を貯めるためにも、一日中、頑張って働いていました。

この働いていた当時のピザ屋の店長がすごく良い方で、ものすごく可愛がってもらった記憶があります。

そんなピザの宅配の仕事を頑張って続けて、そろそろ仕事に慣れてきた3カ月後のこと。

どんな仕事でもそうですが、仕事を新しく始めたばかりの時期は、仕事をこなそうと一生懸命で集中しているので、割と失敗という失敗って意外に少ないと思うのです。
やはり仕事に慣れてきて、頭で考えなくても自然に体が動くようになる3カ月目の時期が一番危ないといいますし、実際にそうでした。

ある日の昼間、いつものようにピザの宅配を一件終えて、店に帰る道中の事です。
その日は良く晴れていて気温も良く、気が抜けるにはもってこいの日でした。

住宅街の中で信号のない見通しの悪い交差点。
路面標識の「止まれ」がありましたがそれを無視。
恐らく速度は30kmは出てたと思います。
私は交差点を横切ろうとする普通車に、横から突っ込んでしまいました。
これが私の人生で初めての交通事故でした。

事故の状況としては、私がまっすぐ直進しようと止まれ標識を無視して交差点に進入。
そこに優先道路側の車もまっすぐ直進して交差点に進入。
相手方の車の方が先に交差点に進入して、私の方が後から交差点に進入する格好となり、相手方の車の後ろドアの側面にブレーキをかけながら突っ込んだという状況でした。
お互い見通しが悪い交差点で、お互いがまったく相手に気づけなかったと思います。
この事故は止まれを無視した私の不注意で起こった事故で、個人的な感想をいえば私の過失100%をつけてもよい事故でした。

ただ幸いなことに自分も相手の方にも、ケガなどは無かったのです。
ピザのバイクも少しフロントカウルが傷つきましたが自力走行が可能でした。
ただ相手の方の車は、左後ろのドアが事故の衝撃で大きくへこんでいました。
私はお互いに怪我がないことを確認したら、すぐにピザ店も電話をかけて報告しました。
この時、私は生まれて初めて起こした交通事故で激しく動揺していたと思います。

しばらく待っていると店長が駆けつけてきました。
私は事故を起こしたことを店長にひどく怒られるものだと思っていました。
でも駆け付けた店長は「岡本!大丈夫か!?しかしやっちまったな!」っと笑顔で私に声をかけたのです。
この時の店長の対応で、私の心はどれほど救われたか・・いまだに言葉に良い表せないほどです。

まず笑顔で声をかけてくれたこと。
そしてやっちまったな!と冗談をいってくれたこと。
私の起こした事故で、恐らく監督立場として責任が発生したであろう店長。
これが普通の世の中の店長ならかなり怒っても無理はないのです。
なのに私のことを心配して、笑顔で声をかけてくれたのです。
20代前半と自分より少しだけ年上だった若い店長でしたが、心の余裕と安心感と懐の大きさを感じました。

そして店長と二人で改めて相手の方に謝ったのですが、この時の相手の方もご高齢の男性の方でしたが、非常に大人で優しい方で「かまんかまん」と言ってくださいました。
逆に「若いうちはそんなものよ。これから気を付けて」と励まされたのです。

この店長とご高齢の男性、二人の対応に当時、自立もできてない若造の私の心は本当に本当に救われたのです。

こうして私の初めての交通事故は、けっして悲惨なものではなく、ピザ屋の店長とご高齢の男性の二人の「大人」の優しさと心の余裕、懐の大きさを大いに感じた出来事になりました。

もし二人のうち、どちらか一方が・・俗な言い方ですが「嫌な歳の取り方をした大人」の方だったとしたら・・・この交通事故は自分にとって想い出したくもない出来事になっていたような気がするのです。

この出来事のおかげか、私はこの後もピザの宅配を続け、アルバイトとしては自分の中で最長の6年間もお世話になることになります。
残念ながらこの時の店長は1年後に会社を辞めてしまいますが、自分の中で尊敬する大人の人の一人として今でも心に残っています。

サービス職業従事者
投稿時の年齢:44
高知
投稿日時:2023年03月17日
ドラマの時期:
1999年
9月
--日
文字数:1993

筆者紹介

はじめまして!40代サービス系会社員のオカモトといいます。

高知県生まれの高知市育ち。
性格は社交的で明るいと思います。

価値観は貯金は心の余裕を産む。
人は基本みんな個人・他人・孤独。実は誰もが一人きりで生きてる人生。
でも二人でいる方が楽しいし三人四人で共感を生めばもっと楽しい人生になる!

社会は良くも悪くもドンドン前に進んでいます。
だから自分自身も成長していかないと社会に置いていかれます。
なので自分を常に成長させることを怠らない人になりたい。

初めての交通事故

人生で印象に残った出来事の一つといえば「人生初の交通事故」です。

それは私が20歳のころ。
高校を卒業した私は、特にやりたいこともなかったので、アルバイトをしていました。
そのアルバイトはピザの宅配のお仕事です。

ちょうど原付の免許を取ったことと、地図を見るのが得意だった私には、ピザの宅配という仕事はピッタリだったと思います。
それに仕事仲間の人たちも、同年代が多く話も合いましたし良い人ばかりで楽しかったです。

この頃に一人暮らしを始めたこともあって、日々の生活のためにもお金を貯めるためにも、一日中、頑張って働いていました。

この働いていた当時のピザ屋の店長がすごく良い方で、ものすごく可愛がってもらった記憶があります。
そんなピザの宅配の仕事を頑張って続けて、そろそろ仕事に慣れてきた3カ月後のこと。

どんな仕事でもそうですが、仕事を新しく始めたばかりの時期は、仕事をこなそうと一生懸命で集中しているので、割と失敗という失敗って意外に少ないと思うのです。
やはり仕事に慣れてきて、頭で考えなくても自然に体が動くようになる3カ月目の時期が一番危ないといいますし、実際にそうでした。

ある日の昼間、いつものようにピザの宅配を一件終えて、店に帰る道中の事です。
その日は良く晴れていて気温も良く、気が抜けるにはもってこいの日でした。

住宅街の中で信号のない見通しの悪い交差点。
路面標識の「止まれ」がありましたがそれを無視。
恐らく速度は30kmは出てたと思います。
私は交差点を横切ろうとする普通車に、横から突っ込んでしまいました。
これが私の人生で初めての交通事故でした。

事故の状況としては、私がまっすぐ直進しようと止まれ標識を無視して交差点に進入。
そこに優先道路側の車もまっすぐ直進して交差点に進入。
相手方の車の方が先に交差点に進入して、私の方が後から交差点に進入する格好となり、相手方の車の後ろドアの側面にブレーキをかけながら突っ込んだという状況でした。
お互い見通しが悪い交差点で、お互いがまったく相手に気づけなかったと思います。
この事故は止まれを無視した私の不注意で起こった事故で、個人的な感想をいえば私の過失100%をつけてもよい事故でした。

ただ幸いなことに自分も相手の方にも、ケガなどは無かったのです。
ピザのバイクも少しフロントカウルが傷つきましたが自力走行が可能でした。
ただ相手の方の車は、左後ろのドアが事故の衝撃で大きくへこんでいました。
私はお互いに怪我がないことを確認したら、すぐにピザ店も電話をかけて報告しました。
この時、私は生まれて初めて起こした交通事故で激しく動揺していたと思います。

しばらく待っていると店長が駆けつけてきました。
私は事故を起こしたことを店長にひどく怒られるものだと思っていました。
でも駆け付けた店長は「岡本!大丈夫か!?しかしやっちまったな!」っと笑顔で私に声をかけたのです。
この時の店長の対応で、私の心はどれほど救われたか・・いまだに言葉に良い表せないほどです。

まず笑顔で声をかけてくれたこと。
そしてやっちまったな!と冗談をいってくれたこと。
私の起こした事故で、恐らく監督立場として責任が発生したであろう店長。
これが普通の世の中の店長ならかなり怒っても無理はないのです。
なのに私のことを心配して、笑顔で声をかけてくれたのです。
20代前半と自分より少しだけ年上だった若い店長でしたが、心の余裕と安心感と懐の大きさを感じました。

そして店長と二人で改めて相手の方に謝ったのですが、この時の相手の方もご高齢の男性の方でしたが、非常に大人で優しい方で「かまんかまん」と言ってくださいました。
逆に「若いうちはそんなものよ。これから気を付けて」と励まされたのです。

この店長とご高齢の男性、二人の対応に当時、自立もできてない若造の私の心は本当に本当に救われたのです。
こうして私の初めての交通事故は、けっして悲惨なものではなく、ピザ屋の店長とご高齢の男性の二人の「大人」の優しさと心の余裕、懐の大きさを大いに感じた出来事になりました。

もし二人のうち、どちらか一方が・・俗な言い方ですが「嫌な歳の取り方をした大人」の方だったとしたら・・・この交通事故は自分にとって想い出したくもない出来事になっていたような気がするのです。

この出来事のおかげか、私はこの後もピザの宅配を続け、アルバイトとしては自分の中で最長の6年間もお世話になることになります。
残念ながらこの時の店長は1年後に会社を辞めてしまいますが、自分の中で尊敬する大人の人の一人として今でも心に残っています。
サービス職業従事者
投稿時の年齢:44
高知
投稿日時:
2023年03月17日
ドラマの時期:
1999年
9月
--日
文字数:1993

筆者紹介

はじめまして!40代サービス系会社員のオカモトといいます。

高知県生まれの高知市育ち。
性格は社交的で明るいと思います。

価値観は貯金は心の余裕を産む。
人は基本みんな個人・他人・孤独。実は誰もが一人きりで生きてる人生。
でも二人でいる方が楽しいし三人四人で共感を生めばもっと楽しい人生になる!

社会は良くも悪くもドンドン前に進んでいます。
だから自分自身も成長していかないと社会に置いていかれます。
なので自分を常に成長させることを怠らない人になりたい。