私の大学受験

 毎年、1月の受験シーズンになると、自分の大学受験の日のことを思い出す。私の大学受験は、いくつかの小さな奇跡が起こった、思い出深いものであった。

 第一関門のセンター試験で、思うような点数が出なかった私は、志望校変更を余儀なくされた。悩んでいた私に、担任の先生がたまたま見つけてくれたのは、なんと母の母校の大学(しかも同じ学部)だった。詳細を見ていくと、私の興味関心にバッチリ合うではないか。よくもまあこんな学科があったものだ、と思わずにはいられないほどに、魅力的で私にピッタリだった。
それまで、全く視野に入れていない大学だったが、その大学への受験を決めた。思い返せば、これもたまたま偶然であり、奇跡的な出来事だった。 


 受験前日、母と二人で大学近くのホテルに泊まることに。土地勘のある母と一緒だったためか、受験前日にもかかわらず、リラックスして過ごすことができた。

 この日の夜にも小さな奇跡が起きた。明日に備えて早めに眠った私の夢に、三年前に亡くなった曽祖母が出てきたのだ。曽祖母は教育をとても大切にしていた人で、「あなたの大学入学を祝うまで、生きていたいなぁ」というのが口癖だった。夢の中とはいえ、曽祖母に久しぶりに会えたのが嬉しくて、とても暖かい気持ちになったのを覚えている。

 そして迎えた受験当日。「ひいばぁちゃんが夢に出てきたから、受かる気がする!」という根拠のない自信を胸に、歩いて会場にむかった。
大学の門の前には、緊張した面持ちの高校生、応援にきた教師、応援旗を持った予備校スタッフ、チラシを配る不動産スタッフなど、たくさんの人でごった返していた。それを見て、「これから受験なんだ」という思いが湧き上がってきて、私は一気に緊張してしまった。

 そんな時、スーツの男性から声をかけられた。
「もしかして、〇〇高校?」
なんとその男性、私の高校の先輩だったのだ。受験までまだ時間があったので話し込んでいると、なんとさらにその男性、我が家が一家でお世話になっている歯科院の息子であることが判明。
思わぬ偶然の出会いに、緊張も一気にほぐれ、笑顔で受験会場に向かうことができた。

 受験中にも奇跡は起きた。受験前日に、源氏物語を流し読みしていたのだが、ちょうど読んだところが試験に出たのだ。難しい内容ではあったが、前日に話の大筋を読んでいたため、落ち着いて解答することができた。

 いろんな小さな奇跡のおかげもあって、無事に合格。とても楽しく充実した大学生活を送ることができた。

 これが私の大学受験のストーリーである。


 思い返せば、本当にたくさんの小さな偶然、小さな奇跡が積み重なった大学受験だった。それと同時に、いろんな人に支えられているんだということを、実感できた一日であった。

 取り止めもない思い出話になってしまったが、私にとっては「あの日があったから、今がある」と思える大切な思い出だ。

主婦
投稿時の年齢:30
福岡
投稿日時:2022年02月03日
ドラマの時期:
2009年
--月
--日
文字数:1238

筆者紹介

はじめまして。学問や芸術、海外旅行が大好きな、好奇心旺盛な主婦です。
たくさんのことを学んで、たくさんの人と出会って、楽しく生きていきたいです!
よろしくお願いします。

私の大学受験

 毎年、1月の受験シーズンになると、自分の大学受験の日のことを思い出す。私の大学受験は、いくつかの小さな奇跡が起こった、思い出深いものであった。

 第一関門のセンター試験で、思うような点数が出なかった私は、志望校変更を余儀なくされた。悩んでいた私に、担任の先生がたまたま見つけてくれたのは、なんと母の母校の大学(しかも同じ学部)だった。詳細を見ていくと、私の興味関心にバッチリ合うではないか。よくもまあこんな学科があったものだ、と思わずにはいられないほどに、魅力的で私にピッタリだった。
それまで、全く視野に入れていない大学だったが、その大学への受験を決めた。思い返せば、これもたまたま偶然であり、奇跡的な出来事だった。 

 受験前日、母と二人で大学近くのホテルに泊まることに。土地勘のある母と一緒だったためか、受験前日にもかかわらず、リラックスして過ごすことができた。

 この日の夜にも小さな奇跡が起きた。明日に備えて早めに眠った私の夢に、三年前に亡くなった曽祖母が出てきたのだ。曽祖母は教育をとても大切にしていた人で、「あなたの大学入学を祝うまで、生きていたいなぁ」というのが口癖だった。夢の中とはいえ、曽祖母に久しぶりに会えたのが嬉しくて、とても暖かい気持ちになったのを覚えている。

 そして迎えた受験当日。「ひいばぁちゃんが夢に出てきたから、受かる気がする!」という根拠のない自信を胸に、歩いて会場にむかった。
大学の門の前には、緊張した面持ちの高校生、応援にきた教師、応援旗を持った予備校スタッフ、チラシを配る不動産スタッフなど、たくさんの人でごった返していた。それを見て、「これから受験なんだ」という思いが湧き上がってきて、私は一気に緊張してしまった。

 そんな時、スーツの男性から声をかけられた。
「もしかして、〇〇高校?」
なんとその男性、私の高校の先輩だったのだ。受験までまだ時間があったので話し込んでいると、なんとさらにその男性、我が家が一家でお世話になっている歯科院の息子であることが判明。
思わぬ偶然の出会いに、緊張も一気にほぐれ、笑顔で受験会場に向かうことができた。

 受験中にも奇跡は起きた。受験前日に、源氏物語を流し読みしていたのだが、ちょうど読んだところが試験に出たのだ。難しい内容ではあったが、前日に話の大筋を読んでいたため、落ち着いて解答することができた。

 いろんな小さな奇跡のおかげもあって、無事に合格。とても楽しく充実した大学生活を送ることができた。

 これが私の大学受験のストーリーである。

 思い返せば、本当にたくさんの小さな偶然、小さな奇跡が積み重なった大学受験だった。それと同時に、いろんな人に支えられているんだということを、実感できた一日であった。

 取り止めもない思い出話になってしまったが、私にとっては「あの日があったから、今がある」と思える大切な思い出だ。
主婦
投稿時の年齢:30
福岡
投稿日時:
2022年02月03日
ドラマの時期:
2009年
--月
--日
文字数:1238

筆者紹介

はじめまして。学問や芸術、海外旅行が大好きな、好奇心旺盛な主婦です。
たくさんのことを学んで、たくさんの人と出会って、楽しく生きていきたいです!
よろしくお願いします。