趣味は将棋

趣味は人生を豊かにします。みなさんは趣味はありますか?

私は10年ほど前、将棋にハマっていました。
それもパソコンやスマホで対局するいわゆる「オンライン将棋」つまりネット将棋ですね。
ネット将棋はスマホさえあれば24時間いつでもどこでも、無料で対局が楽しめるので、仕事の休憩時間や休みの日にはとにかく将棋を指していました。

将棋はもともと遊びで指すことはあったのですが、本格的に勉強しようと思ったのは30代になってからです。
それも「あるきっかけ」が原因なんですが、その原因が酷いのです。


私は30代になってから勤めていた仕事も安定し、結婚生活も何不自由なくて生活自体が安定期に入っていました。
それまでは仕事仕事の毎日だったので、時間的にも少し余裕ができてきたのがこの頃です。

休日にやることもないのでネットで動画を見たりしていたのですが、なにか物足りないと思い、気軽にできる趣味を探そうと思ったのです。
そこで思いついたのが将棋でした。

将棋自体はとても弱かったのですが、友達と将棋するのは楽しかったです。
なのでネットで将棋が指せることはなんとなく知っていたので。いっちょやってみるか!と軽い気持ちではじめました。

まず初めに本屋で初心者用の将棋の本を数冊買って勉強しました。
将棋には「型」と「手筋」というものがあり、これらの基本を一通り覚えたので早速、ネット将棋に登録して実際に指してみたのです。

すると勉強の甲斐もあってか、最初は連戦連勝することができました。
初心者用のランクだったのもあるのですが、勝負事は勝つことが本当に楽しいものです。

ネット将棋にはランク戦というものがあり、ランク戦を勝ち進むと自分のランクがドンドンが上がっていくのですが、調子に乗った私はドンドン将棋を指してランクを上げていきました。
このランク戦とは別に練習用の対局ができる練習モードというものもあります。
こちらは勝っても負けてもランクには関係ないので、気軽に将棋を楽しむことができるのです。

ランク戦は実力が拮抗した同じランク同士が対局するのが一般的ですが、自分のランクより上の相手やランクが自分より下の相手とも対局ができるシステムでした。
ランクが上の相手に勝てばランクポイントが多くもらえ、ランクが下の相手に負けるとランクポイントが大きく下がり、勝ってもあまりポイントが増えないので対戦相手を選ぶときは注意が必要でした。

ある日、ネット将棋で将棋を指していると、ある対戦相手が私に勝負を挑んできました。
その相手は私よりランクが下でしたが、なんと21戦21勝の負けなしの成績でした。
ネット将棋は相手に勝負を挑まれても、拒否することが可能でしたが、せっかく対戦を希望してきてくれたので、私は勝負を受けることにしました。
しかしこの対戦相手がやっかいで、いわゆる「ハメ手」を使った初心者狩りだったのです。

将棋の戦法に「ハメ手」というものがあります。
これは指し方が分からないと一気に勝負が決まってしまったり、知らないと対応ができず完敗してしまったりします。
逆に知識があると完封できたりするのですが、初心者に毛が生えた程度の私は、この「ハメ手」をまだ勉強していませんでした。

ちなみにハメ手には「鬼殺し」「新鬼殺し」「筋違い角換わり」「右玉」「早石田」「升田式石田流」といろいろ種類があります。

この時の対戦相手は「早石田」と「升田式石田流」の使い手で、受けを誤ると一気に勝負が決まってしまいます。
でもこれらの戦法の受け方を知らなかった私は、この時に一方的に攻められて連戦連敗を喫してしまいました。

あまりにあっさり負けるので、ムキになってしまい恐らく10連敗くらいはしたでしょうか?
ランクが下の相手だったのでランクポイントもダダ下がりです。
これも私が意気地になったポイントだったと思います。

ここで負けるだけなら自分の実力不足で片づけられる問題だったのですが、私が何より悔しくて腹がたったのが、この対戦相手の態度です。

ネット将棋にはチャット機能があり、将棋の対局中にチャットで相手に対してコメントを打つことができます。
この対戦相手はなんとチャットで挑発してきたり暴言を吐いてきたりしました。
いわゆる「バ~カ」や「雑魚雑魚雑魚」「弱すぎwww」とかですね。
もっと酷いことも言われましたが、さすがにここには書けない内容なので書きませんが。

とにかく人を馬鹿にした態度を取ってきたのが、本当に悔しくて悔しくて。
ネットで顔が見えないことをいいことに言いたい放題でしたね。
更にそんな相手に勝てない自分。自分自身が情けなくなりました。

そんなことがあって悔しくてたまらなかった私はもっと将棋が上手くなりたいと、これまで以上に将棋にのめりこむようになりました。
具体的にはプロの棋士の棋譜を見て勉強したり、負けた将棋の負けた理由を考えて研究するといったことですね。

いままで以上に練習と勉強・研究を繰り返した私は、将棋の実力、棋力をつけていき、一度下がったランクを取り戻して順調にランクを上げていったのです。
そしてあの憎き対戦相手との「再戦」の時が訪れます。

ある日、いつものようにネット将棋をしていると、対戦相手に見たことのある名前があるではありませんか。
そうです。「あいつ」です。ハメ手を使い、挑発・暴言を繰り返し私をボロボロにした「あいつ」です。
その「あいつ」がまたも私に勝負を挑んできたのです。

ランクも上がってさすがに無敗ではなくなっていた「あいつ」ですが、いまだに高勝率をキープしていました。
でもそんなことは関係ありません。
私は喜んで挑戦を受け「あいつ」と対局をすることにしました。

ランクが上がっても相変わらず「あいつ」はハメ手である「早石田」や「升田式石田流」といった戦法を繰り出してきましたね。
しかしこの時の私は以前の「わたし」ではありません。
もちろんハメ手の対策もバッチリです。

ハメ手に対する正しい受けを繰り出し、私は「あいつ」に連戦連勝しました。
前にやられたことを倍返ししてやった感じです。

今まで通じていた「早石田」や「升田式石田流」が通用しないことがよほど悔しかったのか「あいつ」は新しいハメ手「鬼殺し」という戦法を使って奇襲をかけてきましたが、もちろんこちらも研究済み。
「鬼殺し」もいともあっさり受けきられた「あいつ」はチャットに一言だけ暴言を吐くと逃げるように対局場から去っていきました。
この時の私の喜びようは凄まじかったと思います。


その後、さらに将棋にハマっていった私はネット将棋だけでなく、対面で指す本当の将棋にも興味がでてきて実際に将棋道場に通ったりして将棋を楽しみました。

地元でプロの対局が開催されるときには見に行ったりもしましたし、実際に何人かのプロにもお会いできました。
地元の主催する将棋大会や将棋道場の大会にもいくつか参加して優勝したりもしました。

私の将棋の実力は最終的に、将棋道場の年配の2段の方と互角かそれ以上だったので恐らく2段か3段くらいの実力までついていた気がします。

ですが元奨励会の方と練習で指す機会があったときに、実力の差に限界を感じてしまったのと大会にも優勝できたりして満足してしまい、将棋歴6年目くらいでしょうか?それくらいから将棋の勉強や研究はパッタリと辞めてしまいましたね。
でも将棋は本当に楽しくて今でもたまに指したりします。

ここまで将棋の実力が付いたのもネット将棋であった「あいつ」のおかげでもあるのが少し不満ですが、今なら「あいつ」にも感謝できそうです。

でも将棋に限らずですが、いくら顔が見えなかったり直接、会わないネットやオンラインの環境下でもなんでも言っていいわけではなく、挑発・暴言はもってのほか!
「礼に始まり礼に終わる」といった礼儀はしっかりと学んでいって欲しいものですね。

サービス職業従事者
投稿時の年齢:44
高知
投稿日時:2023年04月02日
ドラマの時期:
2013年
--月
--日
文字数:3373

筆者紹介

はじめまして!40代サービス系会社員のオカモトといいます。

高知県生まれの高知市育ち。
性格は社交的で明るいと思います。

価値観は貯金は心の余裕を産む。
人は基本みんな個人・他人・孤独。実は誰もが一人きりで生きてる人生。
でも二人でいる方が楽しいし三人四人で共感を生めばもっと楽しい人生になる!

社会は良くも悪くもドンドン前に進んでいます。
だから自分自身も成長していかないと社会に置いていかれます。
なので自分を常に成長させることを怠らない人になりたい。

趣味は将棋

趣味は人生を豊かにします。みなさんは趣味はありますか?

私は10年ほど前、将棋にハマっていました。
それもパソコンやスマホで対局するいわゆる「オンライン将棋」つまりネット将棋ですね。
ネット将棋はスマホさえあれば24時間いつでもどこでも、無料で対局が楽しめるので、仕事の休憩時間や休みの日にはとにかく将棋を指していました。

将棋はもともと遊びで指すことはあったのですが、本格的に勉強しようと思ったのは30代になってからです。
それも「あるきっかけ」が原因なんですが、その原因が酷いのです。

私は30代になってから勤めていた仕事も安定し、結婚生活も何不自由なくて生活自体が安定期に入っていました。
それまでは仕事仕事の毎日だったので、時間的にも少し余裕ができてきたのがこの頃です。

休日にやることもないのでネットで動画を見たりしていたのですが、なにか物足りないと思い、気軽にできる趣味を探そうと思ったのです。
そこで思いついたのが将棋でした。

将棋自体はとても弱かったのですが、友達と将棋するのは楽しかったです。
なのでネットで将棋が指せることはなんとなく知っていたので。いっちょやってみるか!と軽い気持ちではじめました。

まず初めに本屋で初心者用の将棋の本を数冊買って勉強しました。
将棋には「型」と「手筋」というものがあり、これらの基本を一通り覚えたので早速、ネット将棋に登録して実際に指してみたのです。

すると勉強の甲斐もあってか、最初は連戦連勝することができました。
初心者用のランクだったのもあるのですが、勝負事は勝つことが本当に楽しいものです。

ネット将棋にはランク戦というものがあり、ランク戦を勝ち進むと自分のランクがドンドンが上がっていくのですが、調子に乗った私はドンドン将棋を指してランクを上げていきました。
このランク戦とは別に練習用の対局ができる練習モードというものもあります。
こちらは勝っても負けてもランクには関係ないので、気軽に将棋を楽しむことができるのです。

ランク戦は実力が拮抗した同じランク同士が対局するのが一般的ですが、自分のランクより上の相手やランクが自分より下の相手とも対局ができるシステムでした。
ランクが上の相手に勝てばランクポイントが多くもらえ、ランクが下の相手に負けるとランクポイントが大きく下がり、勝ってもあまりポイントが増えないので対戦相手を選ぶときは注意が必要でした。

ある日、ネット将棋で将棋を指していると、ある対戦相手が私に勝負を挑んできました。
その相手は私よりランクが下でしたが、なんと21戦21勝の負けなしの成績でした。
ネット将棋は相手に勝負を挑まれても、拒否することが可能でしたが、せっかく対戦を希望してきてくれたので、私は勝負を受けることにしました。
しかしこの対戦相手がやっかいで、いわゆる「ハメ手」を使った初心者狩りだったのです。

将棋の戦法に「ハメ手」というものがあります。
これは指し方が分からないと一気に勝負が決まってしまったり、知らないと対応ができず完敗してしまったりします。
逆に知識があると完封できたりするのですが、初心者に毛が生えた程度の私は、この「ハメ手」をまだ勉強していませんでした。

ちなみにハメ手には「鬼殺し」「新鬼殺し」「筋違い角換わり」「右玉」「早石田」「升田式石田流」といろいろ種類があります。

この時の対戦相手は「早石田」と「升田式石田流」の使い手で、受けを誤ると一気に勝負が決まってしまいます。
でもこれらの戦法の受け方を知らなかった私は、この時に一方的に攻められて連戦連敗を喫してしまいました。

あまりにあっさり負けるので、ムキになってしまい恐らく10連敗くらいはしたでしょうか?
ランクが下の相手だったのでランクポイントもダダ下がりです。
これも私が意気地になったポイントだったと思います。

ここで負けるだけなら自分の実力不足で片づけられる問題だったのですが、私が何より悔しくて腹がたったのが、この対戦相手の態度です。

ネット将棋にはチャット機能があり、将棋の対局中にチャットで相手に対してコメントを打つことができます。
この対戦相手はなんとチャットで挑発してきたり暴言を吐いてきたりしました。
いわゆる「バ~カ」や「雑魚雑魚雑魚」「弱すぎwww」とかですね。
もっと酷いことも言われましたが、さすがにここには書けない内容なので書きませんが。

とにかく人を馬鹿にした態度を取ってきたのが、本当に悔しくて悔しくて。
ネットで顔が見えないことをいいことに言いたい放題でしたね。
更にそんな相手に勝てない自分。自分自身が情けなくなりました。

そんなことがあって悔しくてたまらなかった私はもっと将棋が上手くなりたいと、これまで以上に将棋にのめりこむようになりました。
具体的にはプロの棋士の棋譜を見て勉強したり、負けた将棋の負けた理由を考えて研究するといったことですね。

いままで以上に練習と勉強・研究を繰り返した私は、将棋の実力、棋力をつけていき、一度下がったランクを取り戻して順調にランクを上げていったのです。
そしてあの憎き対戦相手との「再戦」の時が訪れます。

ある日、いつものようにネット将棋をしていると、対戦相手に見たことのある名前があるではありませんか。
そうです。「あいつ」です。ハメ手を使い、挑発・暴言を繰り返し私をボロボロにした「あいつ」です。
その「あいつ」がまたも私に勝負を挑んできたのです。

ランクも上がってさすがに無敗ではなくなっていた「あいつ」ですが、いまだに高勝率をキープしていました。
でもそんなことは関係ありません。
私は喜んで挑戦を受け「あいつ」と対局をすることにしました。

ランクが上がっても相変わらず「あいつ」はハメ手である「早石田」や「升田式石田流」といった戦法を繰り出してきましたね。
しかしこの時の私は以前の「わたし」ではありません。
もちろんハメ手の対策もバッチリです。

ハメ手に対する正しい受けを繰り出し、私は「あいつ」に連戦連勝しました。
前にやられたことを倍返ししてやった感じです。

今まで通じていた「早石田」や「升田式石田流」が通用しないことがよほど悔しかったのか「あいつ」は新しいハメ手「鬼殺し」という戦法を使って奇襲をかけてきましたが、もちろんこちらも研究済み。
「鬼殺し」もいともあっさり受けきられた「あいつ」はチャットに一言だけ暴言を吐くと逃げるように対局場から去っていきました。
この時の私の喜びようは凄まじかったと思います。

その後、さらに将棋にハマっていった私はネット将棋だけでなく、対面で指す本当の将棋にも興味がでてきて実際に将棋道場に通ったりして将棋を楽しみました。

地元でプロの対局が開催されるときには見に行ったりもしましたし、実際に何人かのプロにもお会いできました。
地元の主催する将棋大会や将棋道場の大会にもいくつか参加して優勝したりもしました。

私の将棋の実力は最終的に、将棋道場の年配の2段の方と互角かそれ以上だったので恐らく2段か3段くらいの実力までついていた気がします。

ですが元奨励会の方と練習で指す機会があったときに、実力の差に限界を感じてしまったのと大会にも優勝できたりして満足してしまい、将棋歴6年目くらいでしょうか?それくらいから将棋の勉強や研究はパッタリと辞めてしまいましたね。
でも将棋は本当に楽しくて今でもたまに指したりします。

ここまで将棋の実力が付いたのもネット将棋であった「あいつ」のおかげでもあるのが少し不満ですが、今なら「あいつ」にも感謝できそうです。

でも将棋に限らずですが、いくら顔が見えなかったり直接、会わないネットやオンラインの環境下でもなんでも言っていいわけではなく、挑発・暴言はもってのほか!
「礼に始まり礼に終わる」といった礼儀はしっかりと学んでいって欲しいものですね。
サービス職業従事者
投稿時の年齢:44
高知
投稿日時:
2023年04月02日
ドラマの時期:
2013年
--月
--日
文字数:3373

筆者紹介

はじめまして!40代サービス系会社員のオカモトといいます。

高知県生まれの高知市育ち。
性格は社交的で明るいと思います。

価値観は貯金は心の余裕を産む。
人は基本みんな個人・他人・孤独。実は誰もが一人きりで生きてる人生。
でも二人でいる方が楽しいし三人四人で共感を生めばもっと楽しい人生になる!

社会は良くも悪くもドンドン前に進んでいます。
だから自分自身も成長していかないと社会に置いていかれます。
なので自分を常に成長させることを怠らない人になりたい。