ゲーテとの出会い
私の人生を変えた本がある。
その本とは、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」である。
みなさんは、海外古典文学と聞いて、どのようなイメージを持つだろうか。
「難しそう」「とっつきにくい」「読みずらい」。こういうイメージを持つ人が多いのではないだろうか。
かくいう私もその一人だった。
しかし、ゲーテと出会ってから、そのイメージは変わった。
ある日、祖父母の実家で遊んでいた時、ふと古い本棚が目に入った。その中に、ひときわ重厚な全集があるのに気がついた。黒い背表紙に金の文字で、「世界文学全集 ゲーテ」と書かれたその本を、私は手に取った。
暇つぶしにと思って読み始めたその本に、私はみるみる引き込まれ夢中になった。
主人公ウェルテルは、とても純粋で感性豊かな青年。
この物語では、彼の豊かな感性を通して、恋の喜びや苦しさが語られる。
ただそれだけの話なのに、、、。
かつて本を読んで、こんなに心が締め付けられたことはあっただろうか。
「若きウェルテルの悩み」のあらすじは、読む前から知っていた。
なのにどうして、こんなにも心が震えたのだろう、と当時の私は不思議に思っていた。
答えは明白で、「ウェルテル」の素晴らしさは、あらすじなどではなかったのだ。
言い表しづらいのだが、人の感情のゆらめきや、世界の切り取り方、豊かな心象風景など。
言葉ではないもの美しさに、私の心は揺さぶられていた。
それまでの私にとっての読書とは、ストーリーを味わったり、登場人物に憧れたりして楽しむものでしかなかった。
そんな私に、ゲーテはもっと豊かな文学の世界を見せてくれたのだ。
ゲーテとの出会いをきっかけに、私は読書との向き合い方が変わった。それまで苦手意識を持っていた古典文学を好んで読むようになり、何年も語り継がれるほどの人間の叡智に触れることができた。古典文学のおかげで、視野が広がり、思考が深まり、世界の豊かさを感じられるようになった。
海外古典文学に、苦手意識を持っている人は多いと思う。
けれどぜひ一度、挑戦してみてほしい。
ちょっと扉を開いてみれば、そこにはとてつもなく豊かな世界が広がっている。
はじめまして。学問や芸術、海外旅行が大好きな、好奇心旺盛な主婦です。
たくさんのことを学んで、たくさんの人と出会って、楽しく生きていきたいです!
よろしくお願いします。
ゲーテとの出会い