コンプレックスを脱ぎ捨てた日。
私はずっと、自分のルックスにコンプレックスを持っていた。
一重まぶたで薄い顔だし、身長が低くて、洋服をおしゃれに着こなせない。
本当は、もっとおしゃれをしたいし、かわいくなりたいのに。
素敵な服を見つけても、
どうせ私には似合わないと諦めて、
着たいではなく、無難な服を選ぶ癖がついていた。
私は一重まぶたを隠すために、メガネをかけ、
低い身長をカバーするために、ヒールの高い靴を選んだ。
自分に自信がなかった私は、
少しでも自分のコンプレックスを隠そうとしていたのだ。
そんなあるとき、異性の友人にこんなことを言われた。
「自分は、一重まぶたの方が好きだな。
顔が優しいから、話しかけやすいし、
話下手な自分でも、緊張せずに自然体でいられるから。」
え、一重まぶたの方が好きな人なんて
存在するの!?
これが、その時の私の正直な気持ちだ。
ファッション雑誌のモデルは、みんな二重まぶた。
テレビに出るアイドルも、クラスのかわいい友達も、
みんな二重まぶた。
それに見慣れていたために、
「かわいい人は、二重まぶた」=「一重まぶたは、かわいくない」
という根拠のない等式が、
気づかぬうちに私の無意識に染みついていたのだろう。
一重まぶたはかわいくないと思っていたのは、
他でもなく自分だったということに気がついた。
私はこのとき、心の氷が溶けるような気持ちがした。
友人は、それまでずっと自分の短所だと持っていた部分を、
私の長所だと言ってくれた。
私が勝手に自分の短所だと思っていただけで、
他の人から見れば、長所にもなりえるんだと、このとき初めて理解できたのだ。
それをきっかけに、
私はメガネを外すことにした。
身長が低いのが嫌で履いていたヒール履を、フラットシューズに履き替えた。
コンプレックスをさらけ出したはずなのに、
不思議なことに、少しだけ自分に自信を持てるようになった。
自分の特徴を隠すのではなく、
一重まぶたでも、身長が低くても、
これが私なんだと胸を張って生きていこう。
今では、そんなふうに思っている。
その友人は、覚えてもいないだろうけれど、
私にとっては忘れられない出来事だった。
はじめまして。学問や芸術、海外旅行が大好きな、好奇心旺盛な主婦です。
たくさんのことを学んで、たくさんの人と出会って、楽しく生きていきたいです!
よろしくお願いします。
コンプレックスを脱ぎ捨てた日。