薄々ダメだと気付いていた先へ転職して思うこと
もう50歳を超えてから過去を振り返ると、人生の分岐点と言えることがいくつも存在しているものです。今も会社員として働いていますが、ふとした瞬間「あの時、別の選択をしていたら今頃どんな人生を歩んでいただろうか」と思うことがあります。
30歳の私が下した、上手くいかないことを感じていた転職についてです。
「うちに来ないか?」とクライアントから誘われる話は珍しい話ではありませんが、そのタイミングが職場に感じるちょっとした不満とシンクロすることで、正常な判断力が失われることがあります。
今思えば転職が目的ではなく手段になってしまった瞬間です。当時私が住んでいた地方都市で働いていた職場は、少なくともその街の相場より高い給料だったのですが、心は「ここを辞めて都会に行く」ことで支配されてしまい、ついに踏み切りました。
見て見ぬふりをしていたことですが、転職した会社は絵にかいたような「自転車操業」で、未来への展望も考えられぬまま3年と持たず破綻しました。大袈裟かもしれませんが、気持ちの中は「すべて失った」ような喪失感を抱え、再び地元へ帰り一度は仕事に就いたものの、なぜかしら帰った地元の居心地は最悪でした。
恐らく3年前に自分で下した判断の誤りを勝手に恥じていた結果です。ほどなく出稼ぎに行き、一度挑戦した都会へ戻ってきました。
都会へ戻ってからは仕事もすぐ決まり、今の妻と出会って結婚までしました。その後も転落があったのですが、今でもあの時の判断がなかったらと思ってしまいます。
よく「やらない後悔よりやった後悔の方がマシ」と聞くのですが、あれは決して正しい言葉ではないと思うのです。やろうがやるまいが、上手く行かなかったときに後悔するものなのです。
しかし「あの判断」の結果として、今の愛すべき妻と出会えたわけで、今は後悔よりも前を向いていこうと思っている私です。
ひねくれ者と言われることの多いオッサンですが、見方に関しては自信があります。って言うことも勘違いかもしれませんが、今を一生懸命に生きています。
薄々ダメだと気付いていた先へ転職して思うこと