家を買うことと家に住みつづけること

私が不動産会社の支店長だった時、ある御客様が「家を買いたい」と来店されました。収入や資金の準備は十分。銀行の担当者も全く問題ないと言っており、御夫婦も安心して家探しをしていました。
新築戸建をベースに色々な物件を内覧し見学をしている中、ふと御夫婦からよく出る言葉が気になりました。

「子供がきたら」という言葉です。

「子供ができたら」ではなく。

来店時、御夫婦にお子様はいらっしゃいませんでした。
将来の話かと思っていましたが、
内覧が終わり商談スペースで話を聞くと
「養子」を受けられるとのことでした。
私は初めて養子を受けられる御客様に出会いましたが、
既に縁組はできており後は手続きの進行待ちという状態でした。
私は御夫婦に尋ねました。「お子様の教育計画はどのようにお考えですか?」

ファイナンシャルの言葉には、人生の三大出費という言葉があります。
「住宅費用」「老後費用」そして「教育費」です。
例えばお子様1人が文系大学を卒業した場合、トータル教育費は約1,800万円かかります。
6年制の理系だと2,000万円を超えます。

御夫婦はしっかりとした教育環境を与えてあげたいという希望があり、
一旦家探しは止めて資金計画(シュミレーション)を行いました。

その結果、いま家を購入すると大学入学時点で貯金がマイナスになり、
破産することが分かりました。

マイホームを夢見ていた御夫婦でしたが、
なくなく人生プランを変更することになりました。
家を購入する夢よりも、十分な教育環境を整えるという
もう一つの夢を優先することにしました。

ドラマや漫画のように、ここから逆転劇があって物件を購入することができた!ということはなく、御夫婦は家購入を諦めることになりました。当然、弊社へは収益をあげることもなく、失注となりました。

その御夫婦とは今でもお付き合いがあり、来年名古屋の市立中学を受験するそうです。
こういった御縁の先に、色々な幸せがあるんだろうなと感じることができたエピソードでした。

管理的業務従事者
投稿時の年齢:40
愛知
投稿日時:2022年03月25日
ドラマの時期:
2020年
--月
--日
文字数:884

筆者紹介

色々なものに興味があり、取組みたいと思う性格です。

家を買うことと家に住みつづけること

私が不動産会社の支店長だった時、ある御客様が「家を買いたい」と来店されました。収入や資金の準備は十分。銀行の担当者も全く問題ないと言っており、御夫婦も安心して家探しをしていました。
新築戸建をベースに色々な物件を内覧し見学をしている中、ふと御夫婦からよく出る言葉が気になりました。

「子供がきたら」という言葉です。

「子供ができたら」ではなく。
来店時、御夫婦にお子様はいらっしゃいませんでした。
将来の話かと思っていましたが、
内覧が終わり商談スペースで話を聞くと
「養子」を受けられるとのことでした。
私は初めて養子を受けられる御客様に出会いましたが、
既に縁組はできており後は手続きの進行待ちという状態でした。
私は御夫婦に尋ねました。「お子様の教育計画はどのようにお考えですか?」

ファイナンシャルの言葉には、人生の三大出費という言葉があります。
「住宅費用」「老後費用」そして「教育費」です。
例えばお子様1人が文系大学を卒業した場合、トータル教育費は約1,800万円かかります。
6年制の理系だと2,000万円を超えます。

御夫婦はしっかりとした教育環境を与えてあげたいという希望があり、
一旦家探しは止めて資金計画(シュミレーション)を行いました。

その結果、いま家を購入すると大学入学時点で貯金がマイナスになり、
破産することが分かりました。

マイホームを夢見ていた御夫婦でしたが、
なくなく人生プランを変更することになりました。
家を購入する夢よりも、十分な教育環境を整えるという
もう一つの夢を優先することにしました。
ドラマや漫画のように、ここから逆転劇があって物件を購入することができた!ということはなく、御夫婦は家購入を諦めることになりました。当然、弊社へは収益をあげることもなく、失注となりました。

その御夫婦とは今でもお付き合いがあり、来年名古屋の市立中学を受験するそうです。
こういった御縁の先に、色々な幸せがあるんだろうなと感じることができたエピソードでした。
管理的業務従事者
投稿時の年齢:40
愛知
投稿日時:
2022年03月25日
ドラマの時期:
2020年
--月
--日
文字数:884

筆者紹介

色々なものに興味があり、取組みたいと思う性格です。