会計事務所は税金を安くしてくれるところという誤解
今も法人の経理として働いている私の仕事上の原点は20代のころから働き始めた会計事務所時代です。あまり深く考えず知り合いのつてで入職したのですが、「手に職」といえる知識を得られたことを思うと当時の上司や同僚には感謝しています。
色々な経験を積んだ会計事務所時代ですが、そこで見た中小企業主や個人事業主の、少なくとも「税金」に対する考え方には驚くばかりでした。基本的に税金は「払いたくないもの」なんです。
個人事業主といっても業種は様々で、第一次産業の農業・漁業や開業医・飲食店・建設業など多岐にわたります。その中でも小規模な事業者になるほど確定申告の時期に「そんな税金払えないし払いたくない」などと、およそ法律を守ろうとする気のない発言を連発します。
第一次産業の方に至っては「税金やすくするのにあんたらに金払ってんだろうが!」と言われます。
この傾向は零細法人でも同じで、ある会社の社長さんは「あいつら(税務署のこと)、こっちが倒産しそうでヒイヒイ言っているときには何の手助けもしねーで、ちょっと儲かったら税金くれって何なんだ!」と言われていましたが、実際その通りです。
勤め人をしていると分からない苦労と、国に対する不信感が「税金」という一点で見えやすくなるものなのです。
少なくとも私が知っている範囲で言うならば、会計事務所選びは納税者目線で考えてくれるところに依頼すべきです。私も心掛けていましたが、節税という名のギリギリの勝負をしていたのも、苦労している納税者のためを思ってのことでした。
会計事務所を退職し、もう「それって経費ではないですよね?」ということも遠い昔ですが、そんな支出を「このような理由で経費算入しましたが!?」と言っていたころを懐かしむ今日この頃です。ちなみに私が勤めていた事務所の所長は税務署出身でしたが、税務署上がりの人に限って税務署の悪口を言う傾向が強いことを最後に述べておきます。
ひねくれ者と言われることの多いオッサンですが、見方に関しては自信があります。って言うことも勘違いかもしれませんが、今を一生懸命に生きています。
会計事務所は税金を安くしてくれるところという誤解