保護犬メイとの出会い

我が家は大の犬好きだ。物心付いた時から、常に犬が家にいた。だが、私はそこまで犬が好きというわけではなかったのだ。しかし一匹の保護犬と出会ったことで、私の価値観は大きく変わることになる。

ある日、母親が「かわいい保護犬を見つけた!」と言って帰ってきた。
ペットショップで見つけたその犬は、白いトイプードルで年齢は7歳だった。どうやらペットショップのCSR活動の一環として、保護犬の譲渡活動をやっていたらしい。他の犬と同じように、ショーケースに並んでいたようだ。
その時は「そうなんだ。」くらいにしか思っていなかった。しかし母親にとっては、何度も見に行くほど気に入ったらしい。なかなかに母がしつこいので、私も一応見に行くことにした。


その犬は、ペットショップの端の方のケースで大人しく座っていた。成犬になり体が大きいため、ケージが窮屈そうだった。白いけれどあまり手入れされていないようで、汚れがひどかった。特に口の周りが真っ黒になっていた。みすぼらしいという表現が、皮肉にもピッタリだった。(下記写真左)

この犬を見た瞬間、なぜか分からないが「救ってあげないと!守ってあげないと!」と強く思った。もちろんペットショップで人気なのは、生まれたばかりの子犬。この犬の前を通っても、素通りする人ばかりだった。

誰にも相手にされなくても、吠えることなく大人しく寝ている。なんて良い子なんだろうと思った。


店員さんにお願いして、ペットショップ内を少し歩かせてもらった。出してもらえたことが、よほど嬉しかったのだろう。2本足で立ってピョンピョン飛び跳ねていた。

それ以来、この犬のことが頭から離れなくなった。当時はちょうど就職活動の時期。私自身の先の人生もまだ分からない、転勤になるかもしれない。しかし、「どうしても彼女を救ってあげたい。」と思うようになった。

そこからの私の勢いはすごかった。今思い出しても、びっくりするほどの行動力だ。
頭が固い頑固な父親を、1か月説得し続けたのだ。父親も私の揺るぎない気持ちに驚いたのだろう、最終的に折れて迎え入れることが決定した。

彼女の名前を「メイ」と名付けた。白いモフモフの毛が、「ひつじのメイ」に似ているからだ。メイは初め、なかなか心を開いてくれなかった。しかし4年経った今、尻尾を振って出迎えてくれるほどになった。
メイのおかげで、散歩に出かけるという習慣も付いた。私自身の心も癒され、体も元気になった。(下記写真右)
あの時の直感は、正しかったのだと思う。頑張って家族を説得して、メイを迎えてくれた当時の自分に心から感謝をしたい。
そして、メイちゃんいつもありがとう。これからもよろしく!

サービス職業従事者
投稿時の年齢:25
東京
投稿日時:2022年09月05日
ドラマの時期:
2018年
1月
--日
文字数:1137

筆者紹介

東京都在住の25歳女性です。教育熱心な親の下で育ちました。上へ上へという思考で高校・大学と進み社会に出ましたが、体を壊したことをきっかけに自分の価値観を見直すようになりました。今では「無理をしない・楽しく生きる」をモットーに、カフェでのんびり働いています。
趣味は愛犬の世話・サイクリングです。

保護犬メイとの出会い

我が家は大の犬好きだ。物心付いた時から、常に犬が家にいた。だが、私はそこまで犬が好きというわけではなかったのだ。しかし一匹の保護犬と出会ったことで、私の価値観は大きく変わることになる。

ある日、母親が「かわいい保護犬を見つけた!」と言って帰ってきた。
ペットショップで見つけたその犬は、白いトイプードルで年齢は7歳だった。どうやらペットショップのCSR活動の一環として、保護犬の譲渡活動をやっていたらしい。他の犬と同じように、ショーケースに並んでいたようだ。
その時は「そうなんだ。」くらいにしか思っていなかった。しかし母親にとっては、何度も見に行くほど気に入ったらしい。なかなかに母がしつこいので、私も一応見に行くことにした。

その犬は、ペットショップの端の方のケースで大人しく座っていた。成犬になり体が大きいため、ケージが窮屈そうだった。白いけれどあまり手入れされていないようで、汚れがひどかった。特に口の周りが真っ黒になっていた。みすぼらしいという表現が、皮肉にもピッタリだった。(下記写真左)

この犬を見た瞬間、なぜか分からないが「救ってあげないと!守ってあげないと!」と強く思った。もちろんペットショップで人気なのは、生まれたばかりの子犬。この犬の前を通っても、素通りする人ばかりだった。

誰にも相手にされなくても、吠えることなく大人しく寝ている。なんて良い子なんだろうと思った。

店員さんにお願いして、ペットショップ内を少し歩かせてもらった。出してもらえたことが、よほど嬉しかったのだろう。2本足で立ってピョンピョン飛び跳ねていた。

それ以来、この犬のことが頭から離れなくなった。当時はちょうど就職活動の時期。私自身の先の人生もまだ分からない、転勤になるかもしれない。しかし、「どうしても彼女を救ってあげたい。」と思うようになった。

そこからの私の勢いはすごかった。今思い出しても、びっくりするほどの行動力だ。
頭が固い頑固な父親を、1か月説得し続けたのだ。父親も私の揺るぎない気持ちに驚いたのだろう、最終的に折れて迎え入れることが決定した。

彼女の名前を「メイ」と名付けた。白いモフモフの毛が、「ひつじのメイ」に似ているからだ。メイは初め、なかなか心を開いてくれなかった。しかし4年経った今、尻尾を振って出迎えてくれるほどになった。
メイのおかげで、散歩に出かけるという習慣も付いた。私自身の心も癒され、体も元気になった。(下記写真右)
あの時の直感は、正しかったのだと思う。頑張って家族を説得して、メイを迎えてくれた当時の自分に心から感謝をしたい。
そして、メイちゃんいつもありがとう。これからもよろしく!
サービス職業従事者
投稿時の年齢:25
東京
投稿日時:
2022年09月05日
ドラマの時期:
2018年
1月
--日
文字数:1137

筆者紹介

東京都在住の25歳女性です。教育熱心な親の下で育ちました。上へ上へという思考で高校・大学と進み社会に出ましたが、体を壊したことをきっかけに自分の価値観を見直すようになりました。今では「無理をしない・楽しく生きる」をモットーに、カフェでのんびり働いています。
趣味は愛犬の世話・サイクリングです。