熱いうちに打たれたもの

高校を卒業して建設会社に就職した。
一般事務が希望だったので総務部に配属となった。
こだわって選んだ仕事ではなかったこともあり、やたらと部署異動させられた。
建設現場、営業部など。

若いうちにいろいろな経験をさせたい、という上司の意向だった。
どんな理由があろうと、希望する部署ではないことに自分は不満を感じていた。

当時の自分は若かったこともあり、
「絶対間違いありません」
「絶対間違いなくやりました」
ということをよく言っていた。

そんな自分に、父親と同じくらいの年齢の上司は言った。

「お前は絶対なのか?」

なにを言っているのか当時は、まったく意味が分からなかった。

自分がトゲのあるような発言をすると、上司に強く注意された。
注意されるたびに自分は表情に出して、不快感を示していた。
おばさんの事務員から「もう少し我慢しないと!」と言われるほどだった。

入社から3年経った頃、自分はその建設会社を辞めることになった。
退職の意思を伝えたとき、驚きよりもショックのほうが大きい上司の表情は、いまだに忘れられない。

その会社を辞めて10年以上経つ。
今は強く言ってくれた当時の上司にとても感謝している。
ほとんど仕事のできないひよこでトゲトゲの自分に、しっかり注意して強く打ちつけてくれたからだ。

あのとき上司が言った「お前は絶対なのか?」の意味は後々わかった。

それは「間違うこともあるだろうから、安易に絶対などと言わないほうがいい」ということなのだと今では理解している。

年齢を重ねるごとに怒られるということが、どんどん減っていく。
時間が経ってからでは取り返せないモノもある。
だからこそ、若いときにしっかり注意してくれた上司には今も感謝している。

事務従事者
投稿時の年齢:40
大阪
投稿日時:2023年02月27日
ドラマの時期:
2001年
--月
--日
文字数:769

筆者紹介

真面目で几帳面な性格。
大阪のなかでも閑静な住宅街で生まれ育ち、学生の頃は運動やゲームばかりしていた。
争いは避けたいが、自分の意見はしっかり言える人になりたい。
趣味はプロ野球観戦、読書。
最近のこだわりは健康第一。

熱いうちに打たれたもの

高校を卒業して建設会社に就職した。
一般事務が希望だったので総務部に配属となった。
こだわって選んだ仕事ではなかったこともあり、やたらと部署異動させられた。
建設現場、営業部など。

若いうちにいろいろな経験をさせたい、という上司の意向だった。
どんな理由があろうと、希望する部署ではないことに自分は不満を感じていた。
当時の自分は若かったこともあり、
「絶対間違いありません」
「絶対間違いなくやりました」
ということをよく言っていた。

そんな自分に、父親と同じくらいの年齢の上司は言った。

「お前は絶対なのか?」

なにを言っているのか当時は、まったく意味が分からなかった。

自分がトゲのあるような発言をすると、上司に強く注意された。
注意されるたびに自分は表情に出して、不快感を示していた。
おばさんの事務員から「もう少し我慢しないと!」と言われるほどだった。

入社から3年経った頃、自分はその建設会社を辞めることになった。
退職の意思を伝えたとき、驚きよりもショックのほうが大きい上司の表情は、いまだに忘れられない。
その会社を辞めて10年以上経つ。
今は強く言ってくれた当時の上司にとても感謝している。
ほとんど仕事のできないひよこでトゲトゲの自分に、しっかり注意して強く打ちつけてくれたからだ。

あのとき上司が言った「お前は絶対なのか?」の意味は後々わかった。

それは「間違うこともあるだろうから、安易に絶対などと言わないほうがいい」ということなのだと今では理解している。

年齢を重ねるごとに怒られるということが、どんどん減っていく。
時間が経ってからでは取り返せないモノもある。
だからこそ、若いときにしっかり注意してくれた上司には今も感謝している。
事務従事者
投稿時の年齢:40
大阪
投稿日時:
2023年02月27日
ドラマの時期:
2001年
--月
--日
文字数:769

筆者紹介

真面目で几帳面な性格。
大阪のなかでも閑静な住宅街で生まれ育ち、学生の頃は運動やゲームばかりしていた。
争いは避けたいが、自分の意見はしっかり言える人になりたい。
趣味はプロ野球観戦、読書。
最近のこだわりは健康第一。