ありがとう、お姉ちゃん
私の長男はすごくおしゃべり好きな反面、人見知りで相手を目の前にすると「ありがとう」や「ごめんなさい」が出てこない。まだ4歳だから仕方ないと思いつつも、親としては悩みの種だ。
この間もおもちゃの取り合いが原因で、弟を叩いて泣かせてしまったことがあった。それでも謝ろうとしない長男に、私はつい怒ってしまった。
「きちんとごめんなさいが言えないと、幼稚園でもお友だちに嫌な思いをさせてしまうよ!」
あれ?このフレーズ、どこかで聞いたことがあるぞ・・・
私は長男を怒りながら、そんなことを考えていた。
その夜、私はようやく思い出した。
「ごめんなさいが言えないと幼稚園で困るよ!」
この言葉は、私が4歳のときに姉から言われたものである。
姉は私より12歳年上、いわゆる年の差姉妹だ。実家で一緒に暮らしていたのは6年ほどだが、そのうち記憶に残っているのは、私が物心ついてからのわずか2~3年しかない。
姉は昔から面倒見が良く、幼いころはたくさん可愛がってもらった。そして、いけないことはいけないと、きちんと教えてくれた。
当時の私にとって姉は少し怖かったが、どうしてやってしまったのか、どう思っているのか、私の話を遮ることなく最後まで聞いてくれたことは今でも鮮明に覚えている。
そんな姉からのサポートもあり、私はいつの間にか、誰が相手であってもきちんと謝罪や感謝の言葉を言えるようになった。
あれから27年。
お互い結婚し、子どもが生まれ、それぞれの人生を歩んでいる。今では気軽に連絡を取り合う仲だが、私の中ではこれからもずっと姉は憧れの人だろう。
子育てをしていると余裕がなくなることも度々あるが、怒るのと叱るのでは相手の心に響く度合いが異なる。かつての姉が私にしてくれたのは、「怒る」ではなく、愛情を持って諭す「叱る」のほうであった。
もしもまた子どもが過ちを犯したときは、私も息子たちの話をよく聞き、愛情を持って叱ろうと思う。
はじめまして!
私は2人の男の子を育てる30代の主婦です。
普段は育児に追われながらも、趣味のお菓子・パン作りや出産を機に始めたライター業を楽しんでいます。
これまでの人生、様々な成功・失敗を経験してきましたが、その度に思うことは人との関わりの大切さです。
人はひとりでは生きていけないからこそ、私は一期一会を大切にしています。
ありがとう、お姉ちゃん